局面11の2



まず起きないであろう局面ですが、途中の局面は起こる可能性があります。
今度は黒先手を見ていきます。黒先手では白先手より11手長引くので、黒が強いコンピュータだった場合、50手ルールでドローになる可能性が高そうです。

局面8 と 9 では上局面のような場合、 1...Rb3 とするのが最善手でしたが
上局面では 1...Rc4 と 1...Rc5 が最善手で 1...Rb3 は 8手損します。
1...Rc4 または 1...Rc5 とすると 黒 K がセンターの方へ逃げやすいのでしょう。
1...Rc5 の変化のみ見ていきます。


1...Rc5


R を 黒 K の2マス以内にとどめるのは定番の防御。白としては 黒 K を徐々に端列へ
追いやっていくしかないでしょう。手数が長くかかるので、不適切な手を指すと50手ルールでドローの可能性が高まります。最善手とはいかないまでも、適切な手を指していきたいです。

2.Qf3+ と 2.Qd6+ の2つが最善手ですが、 2.Qd6+ Kc4 3.Kd2?? は 3...Rd5+ で
ドローになるので気をつけましょう。
2.Qf3+ の変化のみ見ていきます。


2.Qf3+ Kd4 3.Kd2


黒としては 2...Kc4 とするのも良いです。

上局面で黒は何を指したら良いでしょうか?
3...Ke5  3...Kc4  3...Re5  3...Rd5  3...Rc4 などいくつか考えられます。
自ら後列へさがるのは嫌ですが 3...Ke5 が最善手です。
R を守る必要があるため、どのみち 黒 K は動きを強いられます。


3...Ke5


4.Qh5+ とすると 4...Kd4 となるのでここは 4.Kd3 の適切な手を指したいです。


4.Kd3 Rd5+


手数を長引かせるため黒としては 4...Rd5+ の手を指せるようにしたいです。
ただし 4...Rd5+ として不利を招かないか気をつける必要はあります。

上局面で白は 5.Ke3 とするのが自然かつ無難ですが、  R を攻撃する 5.Kc4 が
最善手でためになるのでその変化を見ていきます。


5.Kc4


黒は R の動きを強いられます。1つ気づいておきたいことは d ファイルの R で
白キングは遮断された状況になっていることです。 5th-rank defence とは言わない
でしょうが、白としては意外に厄介です。

5...Rd4+ 6.Kc5 や 5...Rd6 6.Kc5 は再度 R が攻撃されるので 5...Rd7 が良さそう
に思えますが、 5...Rd4+ が最善手となります。


5...Rd4+ 6.Kc5


6...Rd7 や 6...Rd8 で R を d ファイルに保つか、あるいは 6...Re4  6...Rf4 と
するか? 自分が白だったら黒に 6...Rd7 や 6...Rd8 とされる方が嫌ですが
6...Rf4 が最善手で、 oppositon タイプ1 になる 6...Re4 が2番目に良いです。

ちなみに 6...Rh4 は 7.Qg3+ でダブルアタックかかるので問題外に思えますが
7...Rf4 でまだ大丈夫です。


6...Rf4


R で Q を攻撃するのも手数を長引かせるのに有効な方法の1つです。
さて Q をどこに動かしましょう?

もっとも指しそうな 7.Qg3 は 7...Kf5 8.Kd5 となれば opposition タイプ1 となり
パターンにつながりますが、 7...Ke4 だと厄介になります。

私は 7.Qe3+ がいいかなと思い実際悪くないのですが、 7...Kf5 8.Kd5 Kg4
などと続きます。黒として気をつけなければならないのは、 7.Qe3+ に対し 7...Re4??
とすると 8.Qg5+ Ke6 9.Rd5+ で R を失います。

上局面では 7...Kf6 を強いる 7.Qd5+ が最善手で気づきたいです。


7.Qd5+ Kf6 8.Kd6


黒 K がだんだん端列の方へ追いやられてきました。しかし、白としてはまだ難しく
これから 3rd-rank defence や 2nd-rank defence に移っていくでしょう。

8...Kg6 ですぐ 3rd-rank defence に入っていくのも良いですが
8...Rf5 が最善手です。
ちなみに、 8...Rb4 というきわどい手も悪くありません。


8...Rf5


Q を攻撃し手数を長引かせます^^;
最も指しそうな 9.Qe6+ は 9...Kg5 となると厄介になるので白としては避けたい手。
最善手の 9.Qb3 と 9.Qd2 は気づきにくいでしょう。
最善手より 2手長引きますが、 9.Qe4 を見ていきましょう。


9.Qe4


ここで R を動かすのは良くないので、 9...Kg5 として 3rd-rank defence にする
手を黒は指したいです。


9...Kg5 10.Ke6


10...Ra5 や 10...Rb5 は当然悪いので R を f ファイルに保ち 白 K を f ファイルで
遮断することを考えます。

10...Rf6+ が自然ですが、強いコンピュータが指してきそうなもう1つの最善手
10...Rf4 を見ていきましょう。


10...Rf4


またしても Q 攻撃! しかしここは 11.Qg2+ で 黒 K を端列に追いやれます。


11.Qg2+ Kh4 12.Ke5 Rf8


12...Rf7 も良いです。ここからまだ手数がかかり白としてはもどかしいですが
慎重に適切な手を指していくしかありません。

13.Ke4? とするのは 13...Re8+ で長引くので気をつけましょう。
13.Qg7 も良いですが、 13.Qg6 の最善手を見ていきましょう。


13.Qg6


この手は K Q vs K R の対処法を知ってないと指せないかもしれませんが
覚えたい手です。 黒 K は h8 より h1 の方へ近いため、 Qg6 で 黒 K の動きを
制限し、 h1 の方へ追いやっていこうとする狙いと、 13...Re8+ を防いでます。

黒としては 13...Rf3 とするのが防御のパターンで分かりやすいです。
13...Rf1 も最善手で、 13...Rb8 とするのも R が 白 K の斜め位置になり
白としては厄介になります。


13...Rf3 14.Ke4


記事が長くなりましたので 局面11の3 に続きます。


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